発達障害の分野でよく目にするのが、この新版K式発達検査です。この検査の詳細は、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所のウェブサイトに掲載されています。
ただし、当該ウェブサイトはSSLに対応していないため、一部のブラウザでは開けない可能性があります。そのため、以下にその主要な内容を抜粋して転載いたします。
新版K式発達検査とは(抜粋転載)
『新版K式発達検査』は、京都市児童院(1931年設立、現京都市児童福祉センター)で開発され標準化された検査で、1983年に『新版K式発達検査増補版』が刊行され、さらに、2001年に「新版K式発達検査2001」が刊行されています。
この検査は、乳幼児や児童の発達の状態を、精神活動の諸側面にわたってとらえることができるように作成されています。発達の精密な観察を行い、精神発達の様々な側面について、全般的な進みや遅れ、バランスの崩れなど発達の全体像をとらえるための検査であって、発達スクリーニングを目的としたものではありません。
この検査では、「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域について評価します。3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面に、検査の重点を置いています。
検査用具や検査項目の多くは、京都市児童院当時からの多年の臨床経験が生かされていて、子どもにとって遊びと感じられるようで、子どもの自発的かつ自然な行動が観察しやすいようになっています。
適用年齢は、生後100日頃から満12~13歳頃までと考えられていますが、検査項目としては、新生児用の項目から、生活年齢14~15歳級の項目までを含んでいます。
独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 – 検査や機器について(ページ後半『新版K式発達検査』)
http://forum.nise.go.jp/soudan-db/htdocs/index.php?key=mudncwnlg-477
この新版K式発達検査は、数年ごとに改定されています。2023年に子どもが大学病院で検査を受けたときは、2020が使用されていました。自分が親になり、子どもの持つ難しさに気づくまで、私はこの検査の存在すら知りませんでした。
新版K式発達検査でわかること
この新版K式発達検査を受けると、検査対象の子どもが、自分の生活年齢の属する年齢級と比較して、ほぼ平均的な発達をたどっているのか、それとも早いのか、ゆっくりなのかが判断できます。国立特別支援教育総合研究所も言及していますが、バランスの崩れなど発達の全体像をとらえるための検査であって、問題点のあぶり出しのために使うものではありません。
この検査を受けるとDQ(発達指数 Developmental Quotient)が算出されます。検査対象の子どもが属する年齢層の平均的な子どもの中央値を100とします。全体は正規分布(標準正規分布)するので以下のようなイメージになります。DQ85以上が平均的な子ども(DQ115以上は高知能と呼ばれるらしいですが)になります。正規分布において、平均値(μ)から標準偏差(σ)の範囲内にデータが含まれる確率は約68.27%です。つまり、DQ85~115の中に約68%の子どもは収まり、同様に、平均値から±2σの範囲内(DQ70~130)に含まれる確率が約95.45%ということですね。
話が脱線しますが…±2σに約96%が収まり、-2σ以下は2%程度となります。2020年の日本の人口が126,146,099人らしいのでその2%、約250万人が知的障害に当てはまるということになりますね。知的障害として認定受けると療育手帳がもらえるのですが、発行数が1,213,063人なので確率で出てくる数字より少ないですね。
令和3年度末現在の療育手帳交付台帳登載数は1,213,063人で、前年度に比べ34,146人(2.9%)増加している(表2、統計表2)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/21/dl/gaikyo.pdf
DQやIQが70切ったら、すぐに知的障害扱いとなるわけではなく、日常生活などにどの程度支障が出ているのかも加味されます。DQやIQが低くても日常生活に支障がないと当てはまらないこともあります。
あくまでも目安です。しかし、一喜一憂してしまうのも人の親なのでしょうがないですね。
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