放課後デイの調整に奔走した2ヶ月

自閉症スペクトラム(ASD)

送迎不可の問題発生

ここ2ヶ月ほど、来年度に向けた放課後デイの調整に追われていました。発端は、来年度、息子氏の特定の曜日における6限目の下校開始に伴い、一部の施設が送迎不可と回答してきたことです。その施設によると、6限目の下校時間が集団療育の時間と重なり、参加が難しくなるため、療育サービスに付帯する送迎も提供できないということでした。

もし昨年の秋頃に知らせてもらえれば、余裕を持って対応できたのですが、年明けの新年度が近づいたタイミングで急に伝えられたため、非常に驚きました。この2ヶ月間で10箇所以上に問い合わせをし、そのうち5箇所ほど実際に見学を行いました。

施設の確保は時間との戦い

大阪は首都圏と比べると放課後デイの数に余裕があるとはいえ、新年度まであと2ヶ月という状況では、ほとんどの施設がすでに来年度の枠組みを決めてしまっており、新たに組み込んでもらうのは難易度が高いのが現実です。結果的に、既存の通所先3箇所のうち2箇所に調整をお願いし、なんとか解決しましたが、次年度の半年前には受け入れ学年や送迎スケジュールの確認・調整を行う必要性を強く感じました。

施設の運営実態と情報収集

今回の調整を通じて、施設の運営実態についても貴重な情報を得ることができました。特に、大手の福祉施設では内部教育の影響か、一部の話題について明確な回答を避ける傾向があります。例えば、以下のような点です。

  • 通所児童のうち、障害者手帳を持っている割合
  • 児童の所属(支援学校・支援級・通常級)の割合
  • 受け入れが難しい児童の特徴

一方で、小規模な施設や、こちらが一定の知識や経験を持っていると判断された場合には、そっと教えてくれることもあります。今回得られた情報の中で、特に納得したものをいくつか紹介します。

施設利用の実態

重症心身障害児(重心)向け施設の利用状況

重心向け施設では、定員に対して通所児童の入れ替えがほとんど発生しません。これは、対象となるお子さんの特性から考えて当然で、転居や転勤などの親御さんの事情がない限り、基本的には長期間通所するケースが多いそうです。また、通所後に著しく能力が向上し、放課後デイが不要になるケースは極めて稀とのことでした。

スタッフの負担とインクルーシブ教育

重心児と支援級・通級の児童が同じ施設を利用する場合、スタッフの負担が増大しやすいことも指摘されました。異なる支援が必要な児童が同じ空間にいることで、個別対応が難しくなる傾向があるようです。

施設情報と選び方

事業所紹介資料と事業所一覧の違い

自治体や支援団体が提供する事業所紹介資料と、行政の公式な事業所一覧には違いがあることも分かりました。事業所紹介資料は、主に有志の施設が費用を負担して作成するため、事業所一覧に掲載されていても紹介資料に載っていない施設があるそうです。

行政担当者の情報

各事業所の雰囲気や目的をよく把握しているのは行政の担当者ですが、特定の事業所に言及すると、その施設に利益をもたらす可能性があるため、公の場では具体的な情報を伝えたがらないケースが多いとのことです。窓口で対面で聞くのが有効な場合もあるようです。

事業所選びの現実

事業所選びの苦労

事業所ごとに受け入れ基準や送迎の可否が異なるため、問い合わせ先をたらい回しにされてしまう家庭が多いことも実感しました。その結果、精神的に疲弊してしまう保護者も少なくありません。

父親の関わり

児童発達支援(児発)や放課後デイの利用に関して、父親が主導するケースは非常に少なく、多くの家庭では母親が中心となって対応しているようです。そのため、父親からの問い合わせに驚かれることもあり、実際に私も電話対応で怪訝な反応をされた経験がありました。

施設運営の特色

事業所によっては、代表者の思想や方針が色濃く反映されていることも感じました。例えば、以下のような表現の違いがありました。

  • 「子どもの逃走防止のためドアごとにロックをかけている」(他の事業所では「誤って外に出ないように安全対策をしている」と表現)
  • 「子ども同士のトラブル対策に重点を置いている」(多くの施設では「子ども同士の関係性を円滑にする支援を行っている」といった表現)

このように、言葉の選び方にも事業所ごとの特徴が現れるため、複数の施設を見学して比較することが重要だと感じました。

結びに

冒頭で書いたとおり、施設探しや見学は時間と心を消耗します。早め早めの確認と調整が必要だなと感じた2ヶ月でした。

ともあれ、新年度に向けた準備が整い、ひとまず安心しました。来年度はよりスムーズに調整ができるよう、早めの情報収集と対応を心がけたいと思います。

みなさまのご参考になれば幸いです。

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